KIYOTA JIDOSHA · SAFETY & HEALTH
Safety Manual
安全衛生マニュアル
下書き株式会社清田自動車
作成 /
このマニュアルは、インドネシア語版の原本です。インドネシア語版は2026年12月1日以降に作ります。
Part 1第1編 共通編
株式会社清田自動車 安全衛生マニュアル
この編は、会社で働くすべての人が読みます。整備の仕事の人も、鈑金塗装の仕事の人も読みます。
機械や薬品の細かい話は、第2編(整備編)と第3編(鈑金塗装編)に書いてあります。
1-1 このマニュアルの使い方と、安全衛生教育
このマニュアルは何のためにあるか
- このマニュアルは、あなたがケガや病気にならないためにあります。
- 会社は、あなたを守る義務があります。あなたにも、守るルールがあります。
- 日本では、安全は仕事の一部です。急ぐより、安全を先にします。
雇入れ(やといいれ)時の安全衛生教育
- 会社は、働き始める前に、安全と健康の教育をします。これは法律で決まっています。
- 教育では、仕事の危ないところと、守るルールを学びます。
- 教育を受けたら、分からないことを必ず聞くこと。理由:分からないまま働くと、事故になるからです。
- 仕事の内容が変わった時も、新しい教育を受けます。
基本の約束(5つ)
- 危ないと思ったら、仕事を止めること。
- 分からないことは、聞くこと。
- ケガ、事故、ヒヤリとしたことは、すぐ報告すること。
- ルールを守ること。保護具(ほごぐ)を使うこと。
- 体の調子が悪い時は、言うこと。
報告の義務
- ケガをした時は、すぐ上司に言うこと。小さいケガも言うこと。理由:あとで悪くなることがあるからです。
- 「ヒヤリ・ハット」も報告すること。ヒヤリ・ハットは、事故になりかけたことです。
- 例:工具が落ちそうになった。床の油で滑りそうになった。
- 報告しても、怒られません。報告は、みんなを守るために大切です。
- 報告する相手は、直属(ちょくぞく)の上司です。上司がいない時は、次の人に言います。
- 直属の上司:【要記入】
- 次に言う人:【要記入】
- 安全衛生の責任者:【要記入】
分からない時は聞く
- 日本語が分からない時は、「もう一度お願いします」と言うこと。
- 「分かりました」は、本当に分かった時だけ言うこと。理由:分かったふりをすると、危ないからです。
- 次の言葉を覚えます。
| 日本語 | ローマ字 | 意味 |
|---|
| もう一度お願いします | Mō ichido onegai shimasu | もう一度言ってください |
| 分かりません | Wakarimasen | 理解できません |
| ゆっくりお願いします | Yukkuri onegai shimasu | ゆっくり話してください |
| 教えてください | Oshiete kudasai | 教えてください |
| 危ない! | Abunai! | Danger! |
| 止めて! | Tomete! | 止まって! |
チェック □
- □ 危ないと思ったら、仕事を止めることを知っている。
- □ ケガ、ヒヤリ・ハットを報告することを知っている。
- □ 直属の上司の名前を知っている。
- □ 分からない時に聞くことができる。
根拠:労働安全衛生法 第59条(安全衛生教育)、同法 第4条・第26条(労働者の責務)。
1-2 作業開始前の安全確認
服装
- 会社の作業服を着ること。ボタンやチャックは閉めること。理由:機械に服が巻き込まれるからです。
- 袖(そで)や裾(すそ)は、まくったままにしないこと。長すぎる時は、直すこと。
- 作業中は、ネックレス、ブレスレット、指輪、時計をしないこと。理由:機械に引っかかる、また、電気が流れるからです。
- 長い髪は、まとめて帽子に入れること。理由:機械に巻き込まれるからです。
- 靴は、会社の安全靴(あんぜんぐつ)をはくこと。サンダルは禁止です。
- ズボンのポケットに、工具や鍵を入れたままにしないこと。理由:車の中や機械に落ちるからです。
体調
- 毎朝、自分の体調を確認すること。
- 次の時は、上司に言うこと。無理をしないこと。
- 熱がある。頭が痛い。気持ちが悪い。
- よく眠れなかった。
- お酒が残っている。
- 薬を飲んで、眠くなる。
- 理由:体調が悪いと、集中できません。事故になりやすいです。
- お酒を飲んで出勤しないこと。
持ち物
- 会社が渡した保護具を持つこと(保護メガネ、手袋、耳栓、マスク)。
- 汚れた保護具、こわれた保護具は、使わないこと。新しい物をもらうこと。
- 水筒(すいとう)を持つこと。特に夏は、必ず持つこと。
- 携帯電話は、作業中に使わないこと。理由:見ていないと、ぶつかる、転ぶからです。
作業場所を見る
- 作業を始める前に、まわりを見ること。
- 床に、油や水はないか。
- 通路に、物はないか。
- 使う工具は、こわれていないか。
- 機械の近くに、人はいないか。
- 異常があったら、使わずに、上司に言うこと。
チェック □
- □ 作業服のボタン、チャックを閉めた。
- □ 安全靴をはいた。アクセサリーは外した。
- □ 今日の体調は問題ない。
- □ 保護具を持っている。壊れていない。
- □ 作業場所に、危ない物がない。
根拠:労働安全衛生法 第26条(労働者は、事業者が決めた措置を守る)。
1-3 5S(ごえす)
5Sは、職場をきれいに、安全にするための5つのルールです。
日本語の頭の文字が、すべて「S」です。
| 5S | 意味 | やること | 理由 |
|---|
| 整理(せいり) | いる物と、いらない物を分ける | いらない物は、捨てる | 物が多いと、つまずく、探す時間が増える |
| 整頓(せいとん) | 決めた場所に、置く | 使ったら、同じ場所に戻す | すぐ取れる。なくなったことが分かる |
| 清掃(せいそう) | 掃除する。点検する | 床の油、水、ごみを取る | 滑って転ぶ。火事になる |
| 清潔(せいけつ) | きれいな状態を続ける | 整理・整頓・清掃を毎日続ける | 一度きれいにしても、すぐ汚れる |
| 躾(しつけ) | ルールを守る習慣にする | 決めたことを、みんなで守る | 見ていなくても、安全になる |
具体的なルール
- 通路に、物を置かないこと。理由:転ぶ。避難できない。
- 床にこぼれた油、水は、すぐ拭く(ふく)こと。理由:滑って転ぶからです。
- 工具は、使ったら、すぐ元の場所に戻すこと。
- 消火器、非常口、電気盤(ぶんでんばん)の前に、物を置かないこと。理由:緊急の時に使えなくなるからです。
- ごみは、分別(ぶんべつ)して捨てること。油のついた布は、決まった缶に入れること。理由:油のついた布は、自然に火がつくことがあるからです。
- 仕事が終わったら、10分間、片づけと掃除をすること。
チェック □
- □ 通路に物がない。
- □ 床に、油や水がない。
- □ 工具を、元の場所に戻した。
- □ 消火器と非常口の前が空いている。
- □ 油のついた布を、決まった缶に入れた。
根拠:労働安全衛生規則 第3編(通路・作業場所の安全に関する規定)。5Sは法律の言葉ではなく、現場の管理方法です。
1-4 作業者どうしの安全確認
事故は、「まわりに人がいると気づかなかった」時に起きます。
声を出して、合図をして、確認します。
声かけの基本
- 作業を始める前に、まわりの人に声をかけること。
- 大きな声で、はっきり言うこと。
- 返事を聞くこと。返事がない時は、もう一度言うこと。理由:聞こえていないかもしれないからです。
| 場面 | 言う言葉 | ローマ字 |
|---|
| 作業を始める | 始めます | Hajimemasu |
| 作業を終える | 終わりました | Owarimashita |
| 危ない時 | 危ない! | Abunai! |
| 止める時 | 止めて!/ストップ! | Tomete! / Sutoppu! |
| 物を持って通る | 通ります | Tōrimasu |
| 車を動かす | 動かします | Ugokashimasu |
| 確認した | 確認しました、OKです | Kakunin shimashita, ōkē desu |
合図
- 手を上げる:「止まれ」
- 手を横に振る:「止まれ。危ない」
- 手招き:「こちらに来て」
- 親指を上げる:「OK」
- 合図は、作業の前に、相手と決めておくこと。理由:違う意味に取ると、事故になるからです。
指差呼称(ゆびさしこしょう)
- 指差呼称は、指で差して、声に出して、確認することです。
- 目だけで見るより、間違いが少なくなります。
- やり方:
- 確認するものを見る。
- 指で差す。
- 声に出して言う。例:「ブレーキ、ヨシ!」
- 差した手を、耳のところに上げて、下ろす。
- 使う場面:車の下に入る前、リフトを上げる前、車を動かす前、スイッチを入れる前。
車を動かす時の誘導(ゆうどう)
- 車を動かす時は、動かす人と、誘導する人の、2人ですること。
- 動かす前に、車の前、後ろ、下を見ること。人、物、動物がいないか確認すること。
- 誘導する人は、運転する人から見える所に立つこと。
- 誘導する人は、車の真後ろに立たないこと。理由:車が急に動くと、ひかれるからです。
- 運転する人は、誘導する人が見えなくなったら、すぐ止まること。
- 車の周りに人がいる時は、エンジンをかけないこと。
- 車の中に人がいるか、エンジンがかかっているか、確認してから、作業すること。
- 一人でしか動かせない時は、車を降りて、前後を見てから動かすこと。
チェック □
- □ 作業を始める時に、声をかけた。
- □ 合図の意味を、相手と確認した。
- □ 指差呼称のやり方を知っている。
- □ 車を動かす前に、まわりを見た。
- □ 誘導する人は、車の真後ろに立たない。
根拠:労働安全衛生法 第20条〜第25条(事業者の講ずべき措置)の趣旨による。条文番号は個別の規則を確認のうえ追記する。
1-5 保護具(ほごぐ)と安全標識(あんぜんひょうしき)
保護具の共通ルール
- 保護具は、仕事の危ないところから、体を守る道具です。
- 保護具は、会社が用意します。仕事で必要な時は、必ず使うこと。
- 保護具の使い方が分からない時は、聞くこと。
- 使う前に、壊れていないか見ること。壊れていたら、使わないこと。
- 保護具を、人に貸さないこと。理由:サイズが合わない。汚れが移るからです。
- 保護具は、きれいに保管すること。
| 保護具 | 守る所 | 使う時 | 注意 |
|---|
| 保護メガネ(ほごめがね) | 目 | 削る、磨く、洗う、薬品を使う、車の下に入る | 傷がつくと見えにくい。交換すること |
| 安全靴(あんぜんぐつ) | 足 | 工場内ではいつも | 重い物が落ちても、つま先を守る。つぶれたら交換 |
| 手袋(てぶくろ) | 手 | 部品を持つ、油や薬品を触る | 回転する機械の近くでは、使わないこと。巻き込まれる |
| 耳栓(みみせん) | 耳 | 音が大きい作業(エアーツール、研磨など) | 音が大きいと、聞こえなくなる。声かけが聞こえる程度にする |
| マスク | 鼻・口・肺 | 粉じん、塗料、溶剤の作業 | 種類が違う。作業に合う物を使う(詳しくは各編) |
| ヘルメット/帽子 | 頭 | 車の下、頭の上に物がある場所 | あごひもを締める |
手袋で、特に注意すること
- 回転する機械(ボール盤、グラインダー等)の近くでは、手袋を使わないこと。理由:手袋が巻き込まれて、手が引っ張られるからです。
- 手袋を使う時と、使わない時は、各編で確認すること。
安全標識の色と形
工場の中には、安全標識があります。色と形で、意味が分かります。
| 色・形 | 種類 | 意味 |
|---|
| 赤(丸に斜め線) | 禁止(きんし) | してはいけない |
| 黄色(三角形) | 警告・注意(けいこく・ちゅうい) | 危ない。気をつける |
| 青(丸) | 指示(しじ) | しなければならない |
| 緑(四角) | 安全状態(あんぜんじょうたい) | 安全な場所、出口、救急用品 |
代表的な標識の意味
| 標識(日本語) | ローマ字 | 色 | 意味 |
|---|
| 火気厳禁(かきげんきん) | Kaki genkin | 赤 | 火、タバコ、火花を使わない。燃える物がある |
| 禁煙(きんえん) | Kin'en | 赤 | タバコを吸わない |
| 立入禁止(たちいりきんし) | Tachiiri kinshi | 赤 | 入らない |
| 通り抜け禁止(とおりぬけきんし) | Tōrinuke kinshi | 赤 | 通らない |
| 触るな(さわるな) | Sawaruna | 赤 | 触らない。機械が動く、熱い、電気がある |
| 注意(ちゅうい) | Chūi | 黄色 | 気をつける |
| 感電注意(かんでんちゅうい) | Kanden chūi | 黄色 | 電気で感電する |
| 高温注意(こうおんちゅうい) | Kōon chūi | 黄色 | 熱い。やけどする |
| 足元注意(あしもとちゅうい) | Ashimoto chūi | 黄色 | つまずく、滑る |
| 頭上注意(ずじょうちゅうい) | Zujō chūi | 黄色 | 頭をぶつける。物が落ちる |
| 保護メガネ着用 | Hogo megane chakuyō | 青 | 保護メガネを使う |
| 安全靴着用 | Anzengutsu chakuyō | 青 | 安全靴をはく |
| 保護手袋着用 | Hogo tebukuro chakuyō | 青 | 手袋を使う |
| 耳栓着用 | Mimisen chakuyō | 青 | 耳栓を使う |
| 防じんマスク着用 | Bōjin masuku chakuyō | 青 | マスクを使う |
| 非常口(ひじょうぐち) | Hijōguchi | 緑 | 火事、地震の時に逃げる出口 |
| 避難所・集合場所(しゅうごうばしょ) | Shūgō basho | 緑 | 逃げたあと、集まる場所 |
| 救急箱(きゅうきゅうばこ) | Kyūkyūbako | 緑 | ケガの手当ての道具がある |
| AED | エー・イー・ディー | 緑 | 心臓が止まった人に使う機械 |
| 消火器(しょうかき) | Shōkaki | 赤 | 火を消す道具 |
- 標識を見たら、意味を守ること。標識を、はがさない、隠さない。
- 分からない標識は、上司に聞くこと。
当社の工場にある標識
- 工場内の標識の場所を、教育の時に、一緒に歩いて確認します。
- 確認した日:【要記入】 説明した人:【要記入】
チェック □
- □ 保護メガネ、安全靴、手袋、耳栓の使う場面を知っている。
- □ 回転する機械の近くで、手袋を使わないことを知っている。
- □ 赤・黄・青・緑の意味が言える。
- □ 非常口と消火器の場所を知っている。
- □ 壊れた保護具は、使わずに交換する。
根拠:労働安全衛生法 第26条。安全標識の色と形は、日本産業規格 JIS Z 9101(安全色及び安全標識)に基づく。
1-6 事故・病気の予防
(1) 熱中症(ねっちゅうしょう)
熱中症は、暑さで体の中の水と塩が足りなくなって、体の調子が悪くなる病気です。
死ぬことも、あります。熊本の夏は、とても暑いです。
予防
- 水を、こまめに飲むこと。のどが渇く前に飲むこと。理由:のどが渇いた時は、すでに水が足りないからです。
- 汗をたくさんかいた時は、塩分(えんぶん)もとること。
- 暑い日は、休憩を、決まった時間にとること。涼しい所で休むこと。
- 前の日は、よく寝ること。朝ごはんを食べること。
- 日本の暑さに慣れていない人は、特に注意すること。最初の1週間は、無理をしないこと。
- 工場の中も、暑くなります。塗装ブースの中は、特に暑くなります。
症状と行動
| 症状 | 行動 |
|---|
| めまい、立ちくらみ、汗が止まらない | すぐ作業を止めて、涼しい所で休む。水と塩を飲む |
| 頭が痛い、気持ち悪い、体がだるい | 上司に言う。体を冷やす。一人にしない |
| 返事がおかしい、動けない、意識がない、けいれん | すぐ119番。体を冷やす。(1-9を見る) |
- 体を冷やす場所:首のまわり、わきの下、足のつけね。
- 「大丈夫です」と言わないこと。少しでも悪い時は、言うこと。
- 作業中の人の様子が変な時は、声をかけること。
(2) 腰痛(ようつう)
腰痛は、重い物を持つ、同じ姿勢を続ける時に起きます。一度なると、長く続くことがあります。
- 重い物を持つ時は、ひざを曲げて、腰を落として持つこと。腰だけを曲げて持たないこと。理由:腰に大きな力がかかるからです。
- 物を体に近づけて持つこと。
- 重い物は、一人で持たないこと。二人で持つか、台車を使うこと。
- 持ったまま、体をひねらないこと。足の向きを変えること。
- 同じ姿勢が続く時は、1時間に1回、体を伸ばすこと。
- 腰が痛くなったら、無理をしないで、上司に言うこと。
(3) 手指の巻き込み・はさまれ
- 回転する機械、ベルト、ファンに、手を近づけないこと。理由:巻き込まれると、指を失うことがあるからです。
- 機械の掃除、点検、修理の時は、必ず電源を切り、止まったことを確認すること。
- 機械が動いている時は、カバーを外さないこと。カバーを、外したままにしないこと。
- ドア、ボンネット、トランク、リフトの間に、手や指を入れないこと。理由:はさまれるからです。
- 部品を押さえる時は、手の位置を確認すること。
- 手袋、袖、髪が引っかからないか、確認すること。
- 機械の使い方は、各編で、教育を受けてから使うこと。
(4) 転倒(てんとう)
- 床に油、水、物がある時は、すぐ拭く、片づけること。
- 走らないこと。工場の中は、歩くこと。理由:急に止まれないからです。
- 階段は、手すりを持つこと。両手に物を持って、階段を使わないこと。
- 暗い所は、明るくしてから歩くこと。
- ホース、コードが床にある時は、またがないこと。片づけること。
- 雨の日は、靴の裏が濡れる。タオルで拭いてから、工場に入ること。
(5) 構内(こうない)の車両事故
構内とは、会社の敷地の中のことです。駐車場、工場の前、車を置く場所です。
- 構内の車の速さは、時速10km以下(歩くより少し速い速さ)にすること。【要記入:当社の制限速度を確認】
- 工場の出入口、角では、一度止まること。理由:人が見えにくいからです。
- バックする時は、必ずまわりを確認すること。できれば、誘導する人をつけること。
- 構内を歩く時は、車に注意すること。携帯電話を見ながら歩かないこと。
- 預かったお客様の車は、傷をつけないこと。事故があったら、すぐ報告すること。
- フォークリフトなどの運転は、資格と教育を受けた人だけがすること。資格のない人は、運転しないこと。
- 車の下に入る時は、車が動かないようにすること。輪止め(わどめ)を使い、エンジンを切ること。
チェック □
- □ 暑い日に、水を飲む。休憩する。熱中症の症状を知っている。
- □ 重い物は、ひざを曲げて持つ。または、二人で持つ。
- □ 機械を止めてから、掃除と点検をする。
- □ 床の油、水は、すぐ拭く。
- □ 構内では、歩く、運転する時、まわりを見る。
根拠:労働安全衛生規則 第612条の2(熱中症のおそれがある作業の対策)。厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」。
1-7 油・薬品の基本ルール
工場には、エンジンオイル、ブレーキ液、洗浄剤、塗料、シンナーなどがあります。
これらは、体に悪い影響があります。火がつくものも、あります。
SDS(エス・ディー・エス)とは
- SDSは「安全データシート」のことです。
- 薬品の名前、危ないところ、取り扱い方、こぼした時の方法、応急手当が書いてあります。
- 薬品を売る会社が、会社に渡します。
- 会社は、SDSを、働く人が見られる場所に置きます。
- 初めて使う薬品は、使う前に、SDSを見るか、上司に聞くこと。
ラベルの見方
- 薬品の入れ物には、ラベルが貼ってあります。ラベルには、絵表示(えひょうじ)があります。
- 絵表示は、ひし形で、赤い枠です。危ないところを、絵で示しています。
| 絵表示の意味 | 危ないこと |
|---|
| 炎 | 火がつく。燃える |
| 炎の上に丸 | 他の物を燃やす |
| どくろ(ドクロ) | 少し触る、吸うと、死ぬことがある |
| 感嘆符(!) | 皮膚、目、のどに影響がある |
| 腐食(ふしょく) | 皮膚や目を溶かす。金属を腐らせる |
| 健康有害 | 長く使うと、体の病気になる |
| ガスボンベ | 圧力がある。爆発することがある |
| 環境 | 水の生き物に有害 |
- ラベルの「危険(きけん)」と「警告(けいこく)」は、危ないレベルです。「危険」の方が、危ないです。
- ラベルの言葉が読めない時は、使わずに、聞くこと。
基本ルール
- 薬品は、決められた入れ物で、決められた場所に置くこと。
- ペットボトル、飲み物の容器に、薬品を入れないこと。理由:飲む事故になるからです。
- ラベルのない入れ物は、使わないこと。中身が分からない時は、上司に言うこと。
- 薬品を使う時は、換気(かんき)すること。窓、ドア、換気扇を使うこと。
- 薬品に合った保護具(保護メガネ、手袋、マスク)を使うこと。
- 火がつく薬品の近くで、火、タバコ、火花を出さないこと。
- 違う薬品を、混ぜないこと。理由:危ないガスが出る、爆発することがあるからです。
- 薬品を使った手で、顔、目、口を触らないこと。薬品を使った後は、手を洗うこと。
- 薬品がついた服で、食事、休憩をしないこと。
- 使い終わったら、ふたを閉めること。
- 空の容器、薬品がついた布は、決められた方法で捨てること。流しに流さないこと。
薬品をこぼした時
- 作業を止める。まわりの人に、「こぼしました」と言う。
- 火を使っている人は、火を消す。機械の電源を切る。
- 上司を呼ぶ。
- 少ない量は、決められた吸着材(きゅうちゃくざい)や布で拭く。保護具を使う。
- 多い量、においが強い、気分が悪い時は、その場を離れる。上司に言う。
- 拭いた布は、決められた入れ物に捨てる。流しに流さない。
- 水で流して、排水溝(はいすいこう)に入れないこと。理由:川や下水が汚れるからです。
薬品が体に入った時
| 場所 | まず行うこと |
|---|
| 目 | すぐ水で、15分以上洗う。コンタクトレンズは外す。病院へ行く |
| 皮膚 | 汚れた服を脱ぐ。水と石けんで洗う |
| 飲んだ | 吐かせない。すぐ上司に言う。119番。SDSと容器を持って行く |
| 吸った | 新鮮な空気の所へ行く。気分が悪い時は、119番 |
- 病院へ行く時は、薬品の名前が分かる容器かSDSを持って行くこと。
具体的な薬品の取り扱い
- 整備で使う薬品:第2編(整備編)を見ること。
- 鈑金塗装で使う薬品:第3編(鈑金塗装編)を見ること。
- 自分が使う薬品について、各編で教育を受けてから使うこと。
チェック □
- □ SDSとは何か、説明できる。SDSの置き場所を知っている。
- □ ラベルの絵表示の意味を、3つ以上知っている。
- □ 薬品を飲み物の容器に入れない。混ぜない。
- □ 薬品をこぼした時、上司を呼ぶことを知っている。
- □ 目に入った時は、水で15分以上洗うことを知っている。
根拠:労働安全衛生法 第57条(ラベル表示)、第57条の2(SDSの交付)、第28条の2(リスクアセスメント)。
1-8 健康管理
健康診断(けんこうしんだん)を受ける義務
- 会社は、働く人に、健康診断を受けさせる義務があります。
- 働く人は、健康診断を受けること。これは、あなたの義務でもあります。
- 理由:病気を早く見つけるためです。自分では、病気に気づかないことがあります。
- 雇入れる時に、1回受けます。そのあと、1年に1回、受けます。
- 健康診断の費用は、会社が払います。
- 当社の健康診断の時期:【要記入】 受ける病院:【要記入】
特殊健康診断(とくしゅけんこうしんだん)
- 体に悪い影響がある薬品を使う人は、通常の健康診断のほかに、特殊健康診断を受けます。
- 例:有機溶剤(ゆうきようざい)を使う塗装の仕事。粉じんが多い仕事。
- 特殊健康診断は、6ヶ月に1回、受けること。【要記入:対象者と時期は、各編と合わせて確認】
- 自分が対象かどうかは、上司に聞くこと。
結果の扱い
- 健康診断の結果は、会社と本人だけが見ます。他の人に、見せません。
- 結果で「要再検査(ようさいけんさ)」「要精密検査(ようせいみつけんさ)」と書いてあったら、病院に行くこと。理由:病気の可能性があるからです。
- 結果の相談は、上司に言うこと。
体調不良を言ってよい
- 体の調子が悪い時は、休んでよいです。言ってよいです。
- 病気のまま働かないこと。理由:悪くなる。事故になる。他の人にうつる。
- 咳、熱、下痢、おう吐がある時は、すぐ上司に言うこと。
- 病院に行きたい時は、上司に言うこと。
- 日本語が不安な時は、通訳できる人に、一緒に来てもらうこともできます。【要記入:付き添う人】
- 健康保険証(けんこうほけんしょう)を、いつも持つこと。
- 心の調子が悪い時も、言ってよいです。眠れない、不安、悲しい、仕事に行きたくない。
- 相談できる人:【要記入】
- 相談できる窓口:【要記入】
毎日の健康習慣
- 毎日、寝ること。できるだけ、決まった時間に寝る。
- 朝ごはんを食べること。
- お酒を、飲みすぎないこと。仕事の前の日は、特に気をつけること。
- 手を洗うこと。特に、食事の前、トイレのあと。
チェック □
- □ 健康診断を、受ける義務があることを知っている。
- □ 特殊健康診断の対象かどうか、確認した。
- □ 体調不良を言ってよいことを知っている。
- □ 保険証を、いつも持つ。
- □ 相談する人の名前を知っている。
根拠:労働安全衛生法 第66条(健康診断)、労働安全衛生規則 第43条(雇入れ時の健康診断)・第44条(定期健康診断)。
1-9 異常時・緊急時の行動
基本:止める → 呼ぶ → 待つ
どんな緊急の時も、この順番で行動します。
- 止める(とめる):機械を止める。作業を止める。火を止める。
- 呼ぶ(よぶ):大きな声で、まわりの人を呼ぶ。上司に言う。必要な時は、119番。
- 待つ(まつ):安全な場所で、指示を待つ。自分で判断して、危ないことをしない。
- 一人で、何とかしようとしないこと。理由:二次災害(にじさいがい)になるからです。二次災害は、助けた人も、ケガをすることです。
- 日本語が上手に話せなくても、「助けて!」「火事!」と大きな声で言えば、人が来ます。
| 日本語 | ローマ字 | 意味 |
|---|
| 助けて! | Tasukete! | Help! |
| 火事だ! | Kaji da! | Fire! |
| 地震だ! | Jishin da! | Earthquake! |
| 救急車を呼んで! | Kyūkyūsha o yonde! | Call an ambulance! |
| 逃げて! | Nigete! | Run away! |
119番の言い方
- 電話番号は 119 です。無料です。携帯電話からも、かけられます。
- 落ち着いて、ゆっくり話すこと。聞かれたことに、答えること。
- 電話をかけながら、場所を、まわりの人に伝えること。
| 順番 | 言うこと | 日本語 | ローマ字 |
|---|
| 1 | 火事か、救急か | 「火事です」または「救急です」 | Kaji desu. / Kyūkyū desu. |
| 2 | 場所 | 「熊本市〇〇区〇〇、清田自動車です」 | Kumamoto-shi ___ -ku ___, Kiyota Jidōsha desu. |
| 3 | 状況 | 「人がケガをしました」「人が倒れました」 | Hito ga kega o shimashita. / Hito ga taoremashita. |
| 4 | 人数・様子 | 「ケガ人は1人です。意識があります(ありません)」 | Kega-nin wa hitori desu. Ishiki ga arimasu (arimasen). |
| 5 | 名前・電話番号 | 「私の名前は〇〇です。電話番号は〇〇です」 | Watashi no namae wa ___ desu. Denwa bangō wa ___ desu. |
- 会社の住所:【要記入】
- 近くの目印(めじるし):【要記入】
- 電話の近くに、住所をローマ字で書いた紙を貼っておくこと。【要記入】
- 救急車が来る道に、人が出て、案内すること。
ケガをした時
- 自分がケガをした時は、機械を止めて、大きな声で、人を呼ぶこと。
- ケガをした人を見たら、まず、自分が安全か、確認すること。
- 機械に巻き込まれた人は、機械を止めてから、助けること。
- 血が出ている時は、清潔な布で、強く押さえること。
- 頭を打った人、動かせない人は、動かさないこと。理由:首や背中を、傷つけることがあるからです。
- 小さなケガでも、必ず上司に言うこと。
- 病院に行く時は、上司に言うこと。仕事中のケガは、労災保険(ろうさいほけん)が使えます。自分でお金を出さなくてよいです。
応急手当(おうきゅうてあて)
応急手当は、救急車が来るまで、ケガ人を助ける方法です。
| 状況 | すること |
|---|
| 切り傷・出血 | 清潔な布で、傷を強く押さえる。心臓より高く上げる |
| やけど | すぐ、冷たい水で、20分以上冷やす。服は、無理に脱がさない。水ぶくれを破らない |
| 目に異物 | こすらない。水で洗う。病院へ行く |
| 骨折の疑い | 動かさない。固定する(板、雑誌など)。119番 |
| 感電 | 先に電源を切る。電源が切れるまで、人を触らない。119番 |
| 意識がない・息がない | 119番。AEDを持ってくる。胸の真ん中を、強く、速く押す(胸骨圧迫) |
| 熱中症 | 涼しい所へ。体を冷やす。水を飲ませる(意識がある時だけ)。意識がなければ119番 |
- 胸骨圧迫は、1分間に100〜120回の速さです。深さは、約5cmです。AEDは、音声が説明します。
- 救急箱の場所:【要記入】 AEDの場所:【要記入】
- 応急手当の講習を、受けること。【要記入:講習の日程】
火災(かさい)
火事を見つけたら、次の順番で行動します。
- 大声で「火事だ!」と叫ぶ。
- 近くの人に、119番と、上司への連絡を頼む。
- 火が小さい(天井に届いていない)時だけ、消火器で消す。
- 火が大きい時は、すぐ逃げる。ドアを閉めて逃げること。理由:火と煙の広がりが遅くなるからです。
- 非常口から出て、集合場所に行く。エレベーターは使わない。
- 集合場所で、人数を確認する。いない人がいたら、責任者に言う。
- 火事の建物に、戻らない。理由:煙を吸うと、すぐ動けなくなるからです。
- 煙は、低い姿勢で避けること。口と鼻を、布で押さえること。
- 油の火、ガソリンの火に、水をかけないこと。理由:火が広がるからです。
消火器の使い方(ピン・ホース・レバー)
- ピンを抜く。
- ホースを、火に向ける。
- レバーを握る。火のもとに、薬剤をかける。
- 消火器の場所:【要記入】
- 消火訓練を、年に1回、受けること。【要記入:訓練日】
報告の流れ
事故、ケガ、火事、地震のあとは、次の順に報告します。
- その場の上司に、すぐ言う。
- 上司が、安全衛生の責任者に伝える。
- 責任者が、必要なら、119番、病院、労働基準監督署へ連絡する。
- あなたも、あとで、何があったかを書いて、報告する。何時に、どこで、何をしていて、どうなったか。
| 連絡先 | 電話番号 |
|---|
| 救急・消防 | 119 |
| 警察 | 110 |
| 直属の上司(携帯) | 【要記入】 |
| 安全衛生の責任者(携帯) | 【要記入】 |
| 社長 | 【要記入】 |
| 近くの病院 | 【要記入】 |
| 監理団体の担当者 | 【要記入】 |
| 外国人相談窓口(通訳あり) | 【要記入】 |
- 緊急連絡先のカードを作って、いつも持つこと。【要記入:カード配布日】
チェック □
- □ 「止める→呼ぶ→待つ」の順番を言える。
- □ 119番の言い方を、ローマ字で言える。
- □ 会社の住所を、日本語で言える。
- □ 消火器、救急箱、AEDの場所を知っている。
- □ 事故があったら、すぐ上司に言う。
根拠:労働安全衛生法 第25条(急迫した危険のときの退避)。労働安全衛生規則 第97条(労働者死傷病報告)。
付録 地震が起きた時の行動
熊本では、2016年に大きな地震がありました。
2026年7月28日にも、マグニチュード7.1の大きな地震がありました。
地震は、いつ起きるか分かりません。また、本震のあとも、余震(よしん)が続きます。
ここに書いた行動を、いつも思い出してください。
揺れている時(約1〜2分)
- まず、身を守る。
- 机、作業台の下に入る。
- 頭を、手や物で守る。
- 揺れが止まるまで、動かない。
- 車の下、リフトの上、車の中
- リフトで車を上げている時:リフトから離れる。車の下には入らない。理由:車が落ちるからです。
- 車の下にいる時:すぐ出て、広い所に行く。ただし、揺れが強い時は、動かない。
- 車の中にいる時:外に出て、車から離れる。
- 火、機械、電気
- 近くの火や機械を、安全にできる時だけ、止める。
- 無理に止めないこと。まず、自分を守ること。
- 溶接機、ヒーター、ガスの火は、揺れが小さくなったら、すぐ止める。
- 工場の中で、危ない場所
- 棚、ガラス、タイヤの山、高い場所の近くは、離れる。理由:倒れる、落ちるからです。
- 塗料、シンナー、油の近くは、離れる。理由:こぼれる、火事になるからです。
揺れが止まったら
- 大きな声で、「大丈夫ですか?」と言い、まわりの人を確認する。
- ケガ人がいたら、上司に伝える。
- 火事が起きていないか、確認する。火事があれば、1-9の「火災」を見る。
- 非常口、ドアを開けて、逃げ道を作る。理由:建物が曲がって、ドアが開かなくなるからです。
- 靴をはく。安全靴をはいていない時は、はく。理由:ガラスが床に落ちているからです。
- 上司の指示を聞いて、集合場所に避難する。
- 避難する時は、走らない。ガラス、倒れた物、切れた電線に、触らない。
- エレベーターは使わない。階段を使う。
避難したあと
- 集合場所で、人数を確認する。いない人がいたら、すぐ責任者に言う。
- 責任者の許可がない時は、工場に戻らないこと。理由:余震で建物が崩れる、ガスが漏れていることがあるからです。
- 余震が来ます。建物から離れた、広い所にいること。
- 預かったお客様の車や、荷物の確認は、安全が確認されてから、責任者が決めること。
- 津波の心配は、熊本市内の工場ではほとんどありません。ただし、川、ブロック塀、古い建物には、近づかないこと。
- ガス臭い時は、火花が出る物を、使わないこと。スイッチも、触らないこと。
- ラジオ、携帯電話で、情報を見ること。うその情報(デマ)を信じないこと。
家族との連絡
- 自分の安全が確認できたら、家族に連絡すること。
- 電話がつながらない時は、メッセージを使うこと。
- 災害用伝言ダイヤル「171」を使うこと。使い方は、訓練の日に、練習します。
- 会社に、自分が無事だと、連絡すること。
避難場所・連絡先・責任者(記入欄)
| 項目 | 内容 |
|---|
| 工場からの避難経路(出口の数と場所) | 【要記入】 |
| 工場の集合場所(敷地内) | 【要記入】 |
| 敷地外の避難場所(広域避難場所) | 【要記入】 |
| 避難場所の住所と、歩く時間 | 【要記入】 |
| 地震の時の責任者(点呼をする人) | 【要記入】 |
| 責任者の代わりの人 | 【要記入】 |
| 責任者の電話番号 | 【要記入】 |
| 社長の電話番号 | 【要記入】 |
| 近くの病院 | 【要記入】 |
| 外国人向け災害情報(多言語) | 【要記入】 |
| 避難訓練の日 | 【要記入】 |
| 防災用品(水、ヘルメット、懐中電灯)の場所 | 【要記入】 |
- 住んでいる家の近くの避難場所も、確認しておくこと。【要記入:寮・住居ごとの避難場所】
チェック □
- □ 揺れている時は、まず身を守ることを知っている。
- □ リフトの上の車の下には、入らないことを知っている。
- □ 揺れが止まったら、ドアを開けて、避難することを知っている。
- □ 集合場所と責任者の名前を知っている。
- □ 家族と連絡する方法を知っている。
根拠:労働安全衛生法 第25条(急迫した危険のときの退避)。避難訓練の実施は、消防法に基づく消防計画による。
Part 2第2編 整備編
株式会社清田自動車 安全衛生マニュアル 整備作業の安全
はじめに(この編の使い方)
- この編は、整備(せいび)の仕事で起きる危険(きけん)を説明します。
- 各章は3つに分かれています。
- 危ないこと
- 必ずやること
- やってはいけないこと
- 各章の最後に「チェック」があります。作業の前に読んでください。
- 分からないことは、作業を止めます。先輩か責任者に聞きます。
- 5S、標識(ひょうしき)、熱中症、地震、火災、119番の話は、第1編(共通編)にあります。
2-1 リフト(2柱・4柱・シザース)
使うリフトの機種:【要記入:2柱リフト○台/4柱リフト○台/シザースリフト○台、メーカー名、最大荷重(kg)】
危ないこと
- 車がリフトから落ちます。人が下敷きになります。
- 受け位置(うけいち)が違うと、車が傾きます。
- リフトが下がる時に、手や足が挟(はさ)まれます。
必ずやること
- 上げる前に、車の重さを確認します。リフトの最大荷重より軽い車だけ上げます。
- 車の受け位置を、整備書(せいびしょ)で確認します。リフトのアームとパッドを、その位置に合わせます。
- 一度、車を10cmだけ上げます。止めて、車が安定しているか見ます。
- 上げる前に、ドアとボンネットを閉めます。工具と部品を車の中から出します。
- 上げた後、必ずロックをかけます。ロックの音を聞いて確認します。
- 理由:油圧だけでは、ゆっくり下がることがあります。
- 下げる前に、リフトの下と周りを見ます。人、工具、台車(だいしゃ)がないか確認します。
- 下げる前に、大きな声で「下げます」と言います。周りの人の返事を待ちます。
- リフトの下に入る時は、ロックがかかっていることを再度確認します。
- 上げた車を揺らす作業(エンジン、ミッションの取り外しなど)の前は、先輩に相談します。
- 理由:重心(じゅうしん)が変わり、車が落ちやすくなります。
やってはいけないこと
- 最大荷重を超える車を上げません。
- ロックをかけないで、リフトの下に入りません。
- 車に人が乗ったまま、上げません。
- リフトが動いている間、車の下に入りません。
- 受け位置を確認しないで、上げません。
- 壊れたリフト、音がおかしいリフトを使いません。責任者に報告します。
- 自分だけの判断で、リフトの調整や修理をしません。
チェック
- □ 車の重さは、リフトの最大荷重より軽いか。
- □ 受け位置は、整備書で確認したか。
- □ 10cm上げて、車は安定しているか。
- □ ロックは、かかっているか。
- □ 下げる前に、下に人と物はないか。
法令の根拠:【要確認:自動車用リフトの定期点検の法的根拠は未確認。社内の点検記録の様式を【要記入】】
2-2 ジャッキとリジッドラック(馬)
使うジャッキの種類:【要記入:フロアジャッキ○台、ガレージジャッキの最大荷重(t)、リジッドラックの台数と最大荷重(t)】
危ないこと
- ジャッキは、車を支え続けるための道具ではありません。ジャッキが外れると、車が落ちます。
- 車の下に入った人が、下敷きになります。死亡事故になります。
- 車が動いて、ジャッキから外れます。
必ずやること
- 平らで固い床で作業します。
- 理由:傾いた床や柔らかい床では、ジャッキが倒れます。
- 車の前後のタイヤに、輪止め(わどめ)をします。ジャッキで上げるタイヤの、反対側のタイヤにかけます。
- ギアをP(パーキング)に入れます。MT車は1速か後退に入れます。サイドブレーキを引きます。
- ジャッキポイントを、整備書で確認します。そこにジャッキをかけます。
- 車を上げたら、すぐにリジッドラックをかけます。リジッドラックも、決まった場所に置きます。
- ジャッキをゆっくり下げて、車の重さをリジッドラックに移します。
- 車を手で軽く押して、安定しているか確認します。
- 車の下に入る時は、必ずリジッドラックで支えた状態にします。
- 作業が終わったら、車の下に人も工具もないか確認します。ゆっくり下げます。
やってはいけないこと
- ジャッキだけで支えた車の下に、体を入れません。手や頭も入れません。
- レンガ、木、タイヤなどで車を支えません。
- 最大荷重を超えるジャッキを使いません。
- 壊れたジャッキ、油が漏れるジャッキを使いません。
- 車を上げたまま、その場を離れません。
- 輪止めなしで作業しません。
チェック
- □ 床は平らで、固いか。
- □ 輪止めを、かけたか。
- □ ジャッキポイントを、確認したか。
- □ リジッドラックを、かけたか。
- □ 車の下に入る前に、車を手で押して安定を確認したか。
法令の根拠:【要確認:ジャッキ作業に直接当てはまる条文は未確認】
2-3 エンジン始動と車両の移動
危ないこと
- 排気ガス(はいきガス)に、一酸化炭素(いっさんかたんそ)が含まれます。色もにおいもありません。吸うと、意識を失い、死ぬことがあります。
- 回っているファンやベルトに、手や服が巻き込まれます。
- 車が急に動き出します。人にぶつかります。
- 構内(こうない)で、人や車にぶつかります。
必ずやること
- 屋内(おくない)でエンジンをかける時は、排気ホースを車のマフラーにつなぎます。ホースの先は、屋外に出ます。
- 屋内でエンジンをかける時は、窓、ドア、換気扇(かんきせん)を開けます。
- 頭が痛い時、気分が悪い時は、すぐに外に出ます。周りの人を呼びます。
- エンジンをかける前に、次の3つを確認します。
- ギアが、P(MTはN)に入っているか。
- サイドブレーキが、引いてあるか。
- 周りに、人と物がないか。
- エンジンが回っている時は、ボンネットの中に手を入れません。必要な時は、先輩に相談します。
- 長い髪は束(たば)ねます。ネクタイ、タオル、ゆるい袖(そで)は、回転部に近づけません。手袋のゆるみにも注意します。
- 車を動かす前に、周りを見ます。前、後ろ、横を目で確認します。必要なら、誰かに誘導(ゆうどう)してもらいます。
- 構内では、ゆっくり走ります。【要記入:構内の制限速度(km/h)】
- 車を動かす前に、シートベルトをします。
- 運転は、運転免許を持っている人だけがします。
やってはいけないこと
- 窓を閉めた屋内で、エンジンをかけたままにしません。
- 回っているファンやベルトに、触りません。
- エンジンをかけたまま、車から離れません。
- 運転席に人がいない車を、そのまま動かしません。
- 構内で、スピードを出しません。
- 運転しながら、携帯電話を使いません。
- 免許がない人は、車を運転しません。
チェック
- □ 屋内では、排気ホースをつないだか。
- □ ギアは P か N か。サイドブレーキは引いたか。
- □ 周りに、人と物はないか。
- □ 髪、服、タオルが、回転部に近くないか。
- □ 動かす前に、前後左右を見たか。
法令の根拠:安衛則第107条(機械の掃除、給油、検査、修理などの時は、運転を止める)。【要確認:一酸化炭素と換気に関する条文】
2-4 高温部と高圧部
危ないこと
- ラジエーターの中の冷却水(れいきゃくすい)は、高温で圧力があります。キャップを開けると、噴き出して、やけどをします。
- 排気管(はいきかん)、エンジン、ブレーキは、停止後も熱いです。
- エアコンの冷媒(れいばい)は、高い圧力です。皮膚に付くと、凍傷(とうしょう)になります。目に入ると、失明することがあります。
- 燃料(ガソリン)は、とても燃えやすいです。火花で燃えます。
必ずやること
- ラジエーターキャップは、エンジンが冷えてから開けます。エンジンを止めてから、30分以上待ちます。【要確認:待ち時間は社内で決める】
- キャップを開ける時は、厚い布をかけます。顔を近づけません。
- 排気管などに触る前に、手の甲を近づけて、熱さを確認します。
- エアコン冷媒を扱う時は、保護めがねと手袋を着けます。
- 冷媒の回収は、専用の機械(回収機)を使います。
- 理由:冷媒を空気中に出すことは、法令で禁止されています。
- 冷媒の作業ができる人:【要記入:フロン類の充塡回収業務を行う担当者名と登録番号】
- 燃料の配管を外す時は、次を行います。
- 近くの火を消します。
- 配管の圧力を抜きます。整備書の手順を使います。
- 布で受けて、こぼれた燃料をすぐ拭きます。
- 燃料を扱う場所の近くに、消火器を置きます。【要記入:消火器の場所】
やってはいけないこと
- 熱いエンジンで、ラジエーターキャップを開けません。
- 熱い排気管に、素手で触りません。
- エアコンの冷媒を、空気中に出しません。
- 燃料の近くで、火、タバコ、グラインダー、溶接をしません。
- 燃料や冷媒が付いたら、こすりません。すぐに水で洗います。目に入ったら、15分以上水で洗い、病院に行きます。
チェック
- □ エンジンは、冷えているか。
- □ 保護めがねと手袋を、着けているか。
- □ 冷媒は、回収機で回収するか。
- □ 燃料の近くに、火はないか。
- □ 消火器の場所を、知っているか。
法令の根拠:フロン排出抑制法(カーエアコンの冷媒の回収と登録)。【要確認:条文番号は確認できていない】
2-5 電気(バッテリー、高電圧、ADAS、エアバッグ)
2-5-1 バッテリー
危ないこと
- バッテリーから、水素(すいそ)ガスが出ます。火花で爆発(ばくはつ)します。
- バッテリー液は、希硫酸(きりゅうさん)です。皮膚と目に付くと、やけどします。
- 工具で、プラスとマイナスを同時に触ると、ショートします。火花と火災になります。
必ずやること
- 外す時は、マイナス(−)端子から外します。
- 付ける時は、プラス(+)端子から付けます。
- 腕時計、指輪、ネックレスを外します。
- 保護めがねと手袋を着けます。
- バッテリーの充電は、換気のよい場所で行います。
- 液が付いたら、すぐに大量の水で洗います。目に入ったら、15分以上洗って、病院に行きます。
- 古いバッテリーは、決まった場所に置きます。【要記入:保管場所】
やってはいけないこと
- バッテリーの近くで、火やタバコを使いません。
- バッテリーの上に、工具を置きません。
- バッテリーを、逆さにしません。倒しません。
2-5-2 ハイブリッド車と電気自動車の高電圧
危ないこと
- ハイブリッド車と電気自動車には、高電圧(こうでんあつ)の電気があります。感電(かんでん)すると、死ぬことがあります。
- 高電圧の配線は、オレンジ色です。
- エンジンが止まっていても、高電圧は残っています。
- 車が静かです。READYランプがついていると、車が動き出します。
必ずやること
- 高電圧の作業ができる人は、低圧電気取扱特別教育(ていあつでんきとりあつかいとくべつきょういく)を修了した人だけです。
- 修了者の名前:【要記入:修了者の氏名、修了日、修了証の保管場所】
- 修了していない人は、高電圧の部品の近くで作業しません。
- 作業の前に、整備書の手順で、高電圧を遮断(しゃだん)します。
- READYをOFFにします。
- キーを車から離して、決まった場所に置きます。
- サービスプラグ(サービスディスコネクト)を外します。
- 外したら、決まった時間待ちます。待ち時間は整備書で確認します。
- テスターで、電圧がないことを確認します。
- 絶縁手袋(ぜつえんてぶくろ)を使います。使う前に、穴がないか確認します。
- 作業中は、「高電圧作業中」の表示を車に置きます。【要記入:表示物の場所】
- 絶縁手袋、絶縁工具の保管場所:【要記入】
- 事故が起きたら、すぐに先輩と責任者を呼びます。感電した人には、素手で触りません。まず電源を遮断します。
やってはいけないこと
- オレンジ色の配線に、触りません。
- 修了していない人は、高電圧の部品に触りません。
- 濡(ぬ)れた手や、濡れた服で作業しません。
- 水があるところで、高電圧の作業をしません。
- 遮断の手順を、省略しません。
- 感電した人に、素手で触りません。
2-5-3 ADAS とエアバッグ
危ないこと
- ADAS(エーディーエーエス)は、ぶつからないための安全装置です。カメラやレーダーを使います。
- 作業中に誤作動(ごさどう)すると、事故になります。
- エアバッグが急に開くと、強い力で人にぶつかります。大けがになります。
- バンパーやガラスの交換後は、センサーの位置がずれることがあります。
必ずやること
- エアバッグの作業の前に、バッテリーのマイナス端子を外します。
- 外した後、整備書で決められた時間待ちます。
- 理由:電気が残っていて、エアバッグが開くことがあります。
- エアバッグの部品を取り外す時は、整備書の手順を使います。
- 取り外したエアバッグは、上向きに置きます。人の方に向けません。
- ADAS のカメラやレーダーを触った後は、調整(エーミング)が必要です。担当者に確認します。
- ADAS の調整ができる人:【要記入:担当者名、使用する診断機】
やってはいけないこと
- エアバッグの配線に、テスターを当てません。
- エアバッグの前に、顔や体を置きません。
- エアバッグの部品を、落とさないようにします。叩(たた)きません。
- ADAS のカメラやレーダーを、強く押しません。
チェック
- □ バッテリーは、マイナス端子から外したか。
- □ 腕時計と指輪を、外したか。
- □ ハイブリッド車、電気自動車の高電圧作業は、修了者がするか。
- □ 高電圧は、遮断してテスターで確認したか。
- □ エアバッグ作業の前に、待ち時間を待ったか。
法令の根拠:安衛則第36条第4号(低圧の充電電路の敷設や修理などの業務は、特別教育が必要)。ハイブリッド車と電気自動車の高電圧作業にこの特別教育が必要という点は、【要確認:厚生労働省の通達で確認する】。
2-6 タイヤ(チェンジャー、バランサー、空気充填、インパクトレンチ)
使う機械:【要記入:タイヤチェンジャーとホイールバランサーのメーカー、機種】
危ないこと
- タイヤに空気を入れる時、タイヤやホイールが破裂(はれつ)することがあります。大けがになります。
- タイヤチェンジャーに、指や手が挟まれます。
- バランサーの回転するホイールに、巻き込まれます。
- インパクトレンチで、ナットが飛びます。ホイールが外れます。
必ずやること
- 空気を入れる前に、タイヤとホイールの傷を確認します。割れや変形があれば、使いません。
- 空気を入れる時は、規定の圧力を守ります。圧力計を見ながら入れます。
- 空気を入れる時は、タイヤの正面に立ちません。横に立ちます。
- 大きなタイヤ、危険なタイヤは、安全ケージ(タイヤを入れる囲い)に入れて空気を入れます。【要記入:安全ケージの有無】
- 空気充填の業務は、特別教育を修了した人だけが行います。修了者名:【要記入】
- タイヤチェンジャーを使う時は、ホイールをしっかり固定します。
- バランサーを使う時は、ホイールのナットを、しっかり締めます。カバーを閉めてから回します。
- インパクトレンチを使う時は、ソケットがナットに合っているか確認します。
- ホイールナットは、最後にトルクレンチで規定のトルクに締めます。
- 理由:インパクトレンチだけでは、締めすぎや締め不足になります。
- 作業の後、50〜100km走ったら、ナットの増し締めをお客様に案内します。【要確認:社内ルールで決める】
- 保護めがねを着けます。
やってはいけないこと
- 空気を入れている間、タイヤの上に顔や手を置きません。
- 傷があるタイヤに、空気を入れません。
- 規定より高い圧力で、空気を入れません。
- バランサーが回っている間、カバーを開けません。ホイールに触りません。
- チェンジャーが動いている間、タイヤのビード(縁)に手を近づけません。
- インパクトレンチだけで、最後まで締めません。
チェック
- □ タイヤとホイールに、傷や割れはないか。
- □ 空気圧は、規定の圧力か。
- □ 空気を入れる時、タイヤの横に立っているか。
- □ バランサーのカバーを閉めて、回しているか。
- □ 最後に、トルクレンチで締めたか。
法令の根拠:安衛則第36条第33号(自動車用タイヤに、空気圧縮機を使って空気を入れる業務は、特別教育が必要)。【要確認:号数は最新の条文で再確認する】
2-7 工具と機械(エアツール、グラインダー、プレス、部品洗浄)
危ないこと
- エアツール(圧縮空気の工具)が、急に動きます。ホースが外れて暴れます。
- グラインダーの砥石(といし)が割れて、飛びます。火花で燃えます。
- プレスに、手や指が挟まれます。
- 洗浄剤(せんじょうざい)が、皮膚や目に付きます。蒸気を吸うと、気分が悪くなります。燃えやすい洗浄剤もあります。
必ずやること
- エアツールを使う前に、ホースとつなぎ口を確認します。
- 圧縮空気を、人に向けません。服の掃除にも使いません。
- 工具を使う時は、保護めがねを着けます。
- グラインダーを使う前に、次を確認します。
- 砥石に、ひび割れがないか。
- カバーが、付いているか。
- 砥石の回転速度(最高使用周速度)が、機械に合っているか。
- 砥石を替える作業は、特別教育を修了した人だけが行います。修了者名:【要記入】
- グラインダーを使う前に、1分間、何もない方向で空回しします。
- グラインダーの火花が、燃えやすい物(油、布、燃料)に飛ばないようにします。
- プレスを使う前に、ワークを正しい位置に置きます。ワークを置く時は、手を入れません。専用の道具で置きます。
- 洗浄剤を使う前に、SDS(エスディーエス:安全データシート)を読みます。SDSの置き場所:【要記入】
- 洗浄剤を使う時は、換気をします。手袋と保護めがねを着けます。
- 洗浄剤の容器には、必ず中身の名前を書きます。
- 使った洗浄剤は、決まった容器に入れます。
やってはいけないこと
- エアツールの先を、人に向けません。
- 圧縮空気で、体や服の掃除をしません。
- 割れた砥石、カバーがないグラインダーを使いません。
- グラインダーを、手袋のゆるみや長い髪のまま使いません。
- プレスの下に、手を入れません。
- 洗浄剤の近くで、火を使いません。
- 洗浄剤を、別の飲み物の容器に入れません。
- 洗浄剤を、排水溝に流しません。
チェック
- □ ホースとつなぎ口は、正常か。
- □ 保護めがねを、着けているか。
- □ 砥石に、ひび割れはないか。カバーはあるか。
- □ プレスの下に、手を入れていないか。
- □ 洗浄剤の SDS を、読んだか。
法令の根拠:安衛則第36条第1号(研削といしの取替えと試運転は、特別教育が必要)。安衛法第57条の2(危険有害な化学物質は SDS で通知する)。有機溶剤中毒予防規則の対象になるかは、洗浄剤の成分による。【要確認:使っている洗浄剤の名前と成分】
2-8 油脂類・廃油・不凍液・ブレーキフルード
使う油脂類:【要記入:エンジンオイル、ATF、ブレーキフルード、不凍液(LLC)の製品名】
危ないこと
- 廃油(はいゆ)は、熱いです。皮膚に付くと、やけどをします。長い時間付くと、皮膚の病気になります。
- ブレーキフルードは、塗装を傷めます。目や皮膚に付くと、痛みます。
- 不凍液(ふとうえき)は、飲むと危険です。甘いにおいがあります。動物も飲みます。
- こぼれた油で、床が滑(すべ)ります。転びます。
- 油の付いた布は、自然に燃えることがあります。
必ずやること
- 油脂を扱う時は、耐油手袋(たいゆてぶくろ)と保護めがねを着けます。
- 油を抜く時は、オイルパンを下に置きます。エンジンが少し冷めてから行います。
- こぼしたら、すぐに吸収材(きゅうしゅうざい)で拭きます。そして、床を乾いた状態にします。
- 皮膚に付いたら、すぐに石けんと水で洗います。
- 目に入ったら、15分以上水で洗います。病院に行きます。
- 廃油、不凍液、ブレーキフルードは、別々の容器に入れます。混ぜません。
- 容器の外に、中身の名前を書きます。
- 油が付いた布は、ふた付きの金属の容器に入れます。【要記入:置き場所】
- 廃棄は、決まった方法で行います。【要記入:廃油・不凍液の回収業者名、保管場所、回収日】
やってはいけないこと
- 廃油、不凍液を、排水溝や地面に流しません。
- 廃油と不凍液を、混ぜません。
- 油の付いた手で、顔や目を触りません。
- 油の付いた布を、床や机の上に放置しません。
- 容器の名前を書かないで、置きません。
- 食べ物の容器に、油脂を入れません。
チェック
- □ 耐油手袋と保護めがねを、着けているか。
- □ オイルパンを、下に置いたか。
- □ こぼれた油は、拭いたか。
- □ 廃油、不凍液、ブレーキフルードを、分けているか。
- □ 容器に、中身の名前を書いたか。
法令の根拠:【要確認:産業廃棄物(廃油)の法令は、廃棄物処理法。条文は未確認】
2-9 洗車と下回り塗装(周辺業務)
危ないこと
- 洗車場の床が濡れて、滑ります。転びます。
- 高圧洗浄機(こうあつせんじょうき)の水は、強い力があります。体に当たると、けがをします。目に入ると危険です。
- 高圧洗浄機を使う時は、電気に水がかかります。感電します。
- 下回り塗装の塗料のミスト(細かい霧)を吸うと、気分が悪くなります。目や皮膚に付きます。塗料には、燃えやすいものもあります。
必ずやること
- 滑りにくい靴(くつ)を履きます。
- 洗車の後は、床の水をすぐに拭きます。
- 高圧洗浄機を使う前に、ホース、ガン、電源コードを確認します。
- 高圧洗浄機は、車と人から離して、水を当てます。人に向けません。
- 電源コンセントとコードに、水がかからないようにします。
- 下回り塗装の前に、SDS を読みます。
- 塗装する時は、換気をします。防じんマスク(有機ガス用)、保護めがね、手袋を着けます。
- 塗装する場所の近くから、火の元を離します。
- 塗装しない部分(排気管、ブレーキ、ゴム)を、マスキングします。
- 塗装の後、ミストが落ち着くまで、換気を続けます。
やってはいけないこと
- 高圧洗浄機を、人や動物に向けません。
- 濡れた手で、電源プラグを触りません。
- 洗車場で、走りません。
- ミストの中で、マスクなしで作業しません。
- 塗装する場所の近くで、タバコや火を使いません。
- 使った塗料を、排水溝に流しません。
チェック
- □ 滑りにくい靴を、履いているか。
- □ 床の水を、拭いたか。
- □ 高圧洗浄機の電源コードに、水はかからないか。
- □ 下回り塗装の SDS を、読んだか。
- □ 換気とマスクは、できているか。
法令の根拠:【要確認:塗料の成分により、有機溶剤中毒予防規則などが対象になるかを確認する。塗料名を【要記入】】
Part 3第3編 鈑金塗装編
この編の使い方
- この編は、鈑金(ばんきん)・塗装(とそう)の仕事で働く人のための決まりです。
- 5S、標識、熱中症、地震・火災、119番は、共通編を読んでください。
- リフトなどの整備の話は、整備編を読んでください。
- 分からないことは、仕事を始める前に、上の人に聞きます。
- 聞かないで作業を始めてはいけません。
鈑金塗装部門の担当者
| 役目 | 名前 | 連絡先 |
|---|
| 有機溶剤作業主任者(ゆうきようざい さぎょうしゅにんしゃ) | 【要記入】 | 【要記入】 |
| 特定化学物質作業主任者(とくてい かがくぶっしつ さぎょうしゅにんしゃ) | 【要記入】 | 【要記入】 |
| 化学物質管理者 | 【要記入】 | 【要記入】 |
| 保護具着用管理責任者(ほごぐ ちゃくよう かんり せきにんしゃ) | 【要記入】 | 【要記入】 |
| 現場の責任者(鈑金塗装) | 【要記入】 | 【要記入】 |
- SDS(エスディーエス。薬品の危険を書いた紙)の置き場所:【要記入】
- 防毒マスク・吸収缶(きゅうしゅうかん)の置き場所:【要記入】
- 洗眼(せんがん)の場所(目を洗う水):【要記入】
3-1 鈑金作業(ハンマー・ドリー、ガラス、鋭利な部品)
危ないこと
- ハンマーで、自分の手や指をたたく。
- ハンマーの頭が、柄(え)から抜けて飛ぶ。
- 金属の端(はし)で、手を切る。
- 割れたガラスや、とがった部品で、けがをする。
- たたく音で、耳を悪くする。
理由:鈑金の仕事は、手と金属が近いです。小さな不注意で、大きなけがになります。
必ずやること
- 作業の前に、ハンマーとドリー(当て盤)を見る。ひびと、ゆるみを探す。
- 切創防止(せっそうぼうし)の手袋と、保護メガネを着ける。
- 車の端や部品を持つときは、厚い手袋を着ける。
- 大きな音の作業では、耳栓(みみせん)を使う。
- 割れたガラスは、ほうきで集めて、専用の箱に入れる。
- とがった部品は、テープで巻いて、置き場所に置く。
- 車の下や中に入る前に、周りの人に声をかける。
やってはいけないこと
- 柄がゆるんだハンマーを使ってはいけない。
- 素手(すで)で、割れたガラスを触ってはいけない。
- ガラスの破片を、普通のごみ箱に捨ててはいけない。
- 手袋を着けたまま、回転する機械の近くで作業してはいけない。
チェック
- □ ハンマーの頭は、ゆるんでいない。
- □ 保護メガネと手袋を着けた。
- □ 割れたガラスは、専用の箱に入れた。
- □ 大きな音の作業で、耳栓を使った。
3-2 溶接(スポット溶接・半自動溶接)
溶接には2つあります。
- スポット溶接:2枚の鉄板を、電気で点(てん)のようにくっつける。
- 半自動溶接(MIG・MAG[ミグ・マグ]):ワイヤーを送りながら、アークの熱で溶かしてくっつける。
危ないこと
- アーク光(ひかり)が目に入る。目が痛くなり、見えにくくなる。
- 火花とスパッタ(飛ぶ金属の粒)で、やけどをする。
- スパッタが、シートや配線に落ちて、火災(かさい)になる。
- ガソリンや塗料の近くで溶接して、火がつく。
- 電気で感電(かんでん)する。
- 溶接した直後の金属は、とても熱い。
理由:アーク光は、数秒で目を傷めます。スパッタは1,000度以上になることがあります。
必ずやること
- 溶接の資格・教育を受けた人だけが、半自動溶接をする。
- アーク溶接の特別教育(とくべつきょういく)を受けた人だけが、アーク溶接をする。
- 教育を受けた日と、修了証の場所:【要記入】
- 技能実習生・特定技能の人の教育の記録:【要確認】
- 溶接用の遮光面(しゃこうめん)と、皮の手袋と、燃えにくい作業服を着る。
- 作業の前に、近くの燃えるものを遠くに移す。
- 燃えるものを動かせないときは、防炎シート(ぼうえんシート)で覆う。
- 近くに消火器を置く。場所を先に確認する。
- 車の溶接の前に、バッテリーのマイナス端子を外す。
- 周りの人に「溶接します」と言う。周りの人は、アーク光を見ない。
- 溶接が終わったあと、30分、火の見張りをする。【要確認:社内の見張り時間】
- 溶接した金属には、「熱い」と分かる印を付ける。
やってはいけないこと
- 遮光面を着けないで、アークを見てはいけない。
- 燃料タンクや燃料パイプの近くで、溶接してはいけない。
- ガソリン、シンナー、塗料が近くにあるとき、溶接してはいけない。
- ぬれた手や、ぬれた手袋で、溶接機を触ってはいけない。
- 溶接した直後の金属を、素手で触ってはいけない。
チェック
- □ 特別教育を受けた人だけが溶接している。
- □ 遮光面・皮手袋・作業服を着けた。
- □ 近くに、燃えるものはない。
- □ 消火器の場所を知っている。
- □ 溶接のあと、火の見張りをした。
法令の根拠:安衛則36条(アーク溶接等の業務の特別教育)【要確認:条文番号】
3-3 溶接ヒュームと呼吸用保護具
溶接ヒューム(ようせつヒューム)は、溶接のときに出る、とても細かい金属の煙です。
鉄の他に、マンガンなどが入っています。
危ないこと
- ヒュームを吸うと、肺(はい)が悪くなる。
- マンガンを長く吸うと、手の力が弱くなる。体のふるえが出ることもある。
- 煙は見えなくなっても、空気の中に残る。
理由:溶接ヒュームは、法律で「特定化学物質(とくていかがくぶっしつ)」として管理します。MIG・MAG溶接が対象です。スポット溶接は対象ではありません。
必ずやること
- 溶接のときは、換気装置(かんきそうち)を動かす。
- 溶接の煙を、顔の前に来ないようにする。煙は、顔の横や下を通す。
- 防じんマスク(国の検定に合格したもの)を着ける。
- 溶接ヒューム用のマスクの種類:【要確認:RS3・RL3など】
- マスクを着けたあと、シールチェック(息もれの確認)をする。
- フィットテスト(マスクが顔に合っているかの検査)を、1年に1回、受ける。
- ひげがあると、マスクは顔に合いません。ひげは、そる。
- マスクが汚れた、息苦しい、こわれたときは、交換する。
- 溶接ヒュームの健康診断(けんこうしんだん)を、6か月ごとに受ける。(3-13を読む)
- 個人ばく露測定(こじんばくろそくてい。体に付けて、吸った量をはかる検査)があるとき、協力する。
やってはいけないこと
- マスクを着けないで、溶接してはいけない。
- 顔に合わないマスクを、そのまま使ってはいけない。
- ハンカチやタオルを、マスクの代わりにしてはいけない。
- 換気装置を止めて、溶接してはいけない。
チェック
- □ 換気装置が動いている。
- □ 防じんマスクを着けて、シールチェックをした。
- □ フィットテストは、1年以内に受けた。
- □ 煙を、顔の前に来ないようにした。
法令の根拠:特化則(溶接ヒューム。2021年4月〜)、安衛則(呼吸用保護具のフィットテスト。2023年4月〜)【要確認:条文番号】。
注意:個人ばく露測定を行う人の資格のルールが、2026年10月1日に変わった。社内の対応は【要確認】。
3-4 グラインダー・サンダー
危ないこと
- 砥石(といし)が割れて、破片が飛ぶ。
- 火花で、やけどをする。火花で、火災になる。
- 回転する砥石に、手や服が巻き込まれる。
- 機械が、はね返る(キックバック)。
- 研磨の粉じん(ふんじん)を吸う。
- 大きな音と、手の振動(しんどう)。
理由:砥石は、とても速く回ります。割れると、破片は銃弾(じゅうだん)のように飛びます。
必ずやること
- 砥石を取り替える人は、研削といし(けんさくといし)の特別教育を受けた人だけ。
- 使う前に、砥石を見る。ひびや欠けがあれば、使わない。
- 取り替えたあと、1分間、空回し(からまわし)をして、異常を見る。
- 取り替えのあとの試運転は、取り替えた人が、人のいない方向に向けて行う。
- 保護メガネ、顔を守る面、防じんマスク、耳栓、手袋を着ける。
- 機械の安全カバーを、必ず付ける。
- 両手でしっかり持つ。体は、砥石の回転する面の横に置く。
- 火花は、燃えるものから離れた方向へ出す。
- 使い終わったら、スイッチを切る。砥石が止まってから、置く。
- 砥石は、使える期限(回転数・日付)が書いてある。期限を守る。
やってはいけないこと
- 特別教育を受けていない人が、砥石を取り替えてはいけない。
- 安全カバーを外して、使ってはいけない。
- 砥石の横の面を使って、削ってはいけない。(切断用の砥石)
- 回っているうちに、機械を床に置いてはいけない。
- 長い髪や、ゆるい袖(そで)のまま、使ってはいけない。
- 手袋のひもや、ぶら下がるものを付けたまま、使ってはいけない。
チェック
- □ 砥石に、ひびと欠けはない。
- □ 安全カバーが付いている。
- □ 保護メガネ・面・マスク・耳栓を着けた。
- □ 近くに、燃えるものはない。
- □ 砥石を取り替えた人は、特別教育を受けた人だ。
法令の根拠:安衛則36条(研削といしの取替え等の業務の特別教育)、安衛則(研削盤等の覆い)【要確認:条文番号】
3-5 修正機(フレーム修正機)
危ないこと
- チェーンが切れて、はね返り、人に当たる。
- 車が動く、または、落ちる。
- 引っ張る力が強すぎて、部品が飛ぶ。
- クランプ(固定する道具)が外れる。
理由:修正機は、とても大きな力で引っ張ります。チェーンが切れると、重い鉄が高速で飛びます。
必ずやること
- 引っ張る前に、車が正しく固定されているか確認する。
- チェーンとクランプを、毎回見る。傷、曲がり、のびがあれば使わない。
- 引っ張るチェーンの上に、安全の覆い(おおい)か、安全チェーンを掛ける。
- 引っ張るときは、チェーンの直線の上に立たない。
- 少しずつ引っ張る。1回ごとに、止めて、様子を見る。
- 作業中、周りの人に声をかけて、近づけない。
- 保護メガネと、厚い手袋と、安全靴を着ける。
- 修正機を使うのは、教育を受けた人だけにする。【要確認:社内の教育方法】
- 点検の記録を付ける。点検の人:【要記入】
やってはいけないこと
- 傷のあるチェーンを、使ってはいけない。
- 引っ張っている間、チェーンのそばに立ってはいけない。
- 引っ張っている車の中や下に、人が入ってはいけない。
- 一度に大きく引っ張ってはいけない。
- チェーンを、溶接してつないではいけない。
チェック
- □ チェーン・クランプに、傷や曲がりがない。
- □ 車は、しっかり固定されている。
- □ 安全チェーン(覆い)を掛けた。
- □ チェーンの直線上に、人がいない。
- □ 引っ張るとき、少しずつ引っ張った。
法令の根拠:安衛則(一般的な作業の安全。機械の危険防止)【要確認:条文番号】
3-6 塗装の前の作業(研ぎ・パテ・脱脂)
危ないこと
- 研ぎ(とぎ)の粉じんを吸うと、肺が悪くなる。粉じんが目に入る。
- 古い塗膜(とまく)の粉に、有害な金属が入っていることがある。
- パテの硬化剤(こうかざい)が、皮膚(ひふ)に付くと、かぶれる。
- 脱脂剤(だっしざい)は、有機溶剤を含む。吸うと気分が悪くなる。皮膚が荒れる。
- パテや脱脂剤は、火がつきやすい。
理由:粉じんは、肺に入ると出てきません。長い年月をかけて、病気になります。
必ずやること
- 研ぐときは、防じんマスクを着ける。保護メガネも着ける。
- 集じん機(しゅうじんき)つきの研磨機を使う。集じん機を動かす。
- 粉じんは、掃除機で集める。ほうきで、はき散らさない。
- パテを練る(ねる)ときは、ゴム手袋(耐溶剤の手袋)を着ける。
- パテや硬化剤が皮膚に付いたら、すぐに石けんと水で洗う。
- 脱脂剤を使うときは、換気する。有機ガス用の防毒マスクを着ける。【要確認:脱脂剤の種類と危険度】
- 脱脂剤の缶は、使ったあと、ふたを閉める。
- パテのへらや、混ぜた容器は、決まった場所に置く。
- 古い車(特に古い塗膜)を研ぐときは、責任者に先に言う。【要確認:鉛を含む古い塗膜の扱い】
やってはいけないこと
- 防じんマスクなしで、研いではいけない。
- 圧縮空気で、体や服の粉じんを吹いてはいけない。
- 脱脂剤で、手や体を洗ってはいけない。
- 脱脂剤を使うとき、火を使ってはいけない。(溶接、タバコ、火花)
チェック
- □ 防じんマスクと保護メガネを着けた。
- □ 集じん機が動いている。
- □ ゴム手袋を着けて、パテを扱った。
- □ 脱脂剤の缶は、ふたが閉まっている。
法令の根拠:粉じん則、有機則、安衛則594条の2(皮膚障害防止用の保護具)【要確認:条文番号】
3-7 有機溶剤(シンナー・溶剤型塗料)の中毒
有機溶剤(ゆうきようざい)は、塗料を溶かす液体です。シンナーのことです。
溶剤型(ようざいがた)の塗料にも、入っています。
会社で使う塗料は、シッケンズ(Sikkens)です。大井産業(おおいさんぎょう)から買っています。
シンナーや塗料には、キシレン、酢酸ブチル、エチルベンゼンなどが入っています。
危ないこと
- 蒸気(じょうき)を吸うと、頭が痛くなる。ふらふらする。吐き気がする。
- たくさん吸うと、意識(いしき)がなくなる。死ぬことがある。
- 長く吸い続けると、肝臓(かんぞう)や神経(しんけい)が悪くなる。
- 皮膚に付くと、荒れる。皮膚から体に入ることもある。
- エチルベンゼンは、特に注意が必要な物質である。【要確認:成分の確定は、SDS原本の確認後】
- においがしなくなっても、危険は続いている。においに慣れるだけである。
理由:有機溶剤の蒸気は、空気より重いです。低いところにたまります。タンクの中や、狭い場所では、特に危険です。
必ずやること
- シンナーや塗料を使う前に、SDSを読む。または、責任者に聞く。
- 有機溶剤を使う場所は、換気装置(局所排気装置、塗装ブース)を動かす。
- 作業するとき、有機ガス用の防毒マスクを着ける。
- 耐溶剤の手袋と、保護メガネと、作業服(つなぎ)を着ける。
- 容器には、必ず名前のラベルを付ける。
- 使わない缶は、ふたを閉める。
- 作業が終わったら、手と顔を洗う。
- 頭が痛い、気分が悪いと思ったら、作業を止める。新しい空気のところへ行く。
- 責任者に、すぐに言う。
やってはいけないこと
- 防毒マスクなしで、有機溶剤を使ってはいけない。
- 有機溶剤の缶を、開けたまま置いてはいけない。
- シンナーで、手や体を洗ってはいけない。
- シンナーを、ペットボトルや食べ物の容器に入れてはいけない。
- 換気していない部屋で、有機溶剤を使ってはいけない。
- 有機溶剤を使う場所で、食べたり、飲んだり、タバコを吸ったりしてはいけない。
- 狭い場所(タンクの中など)に、一人で入ってはいけない。
中毒になったら
- 作業を止める。
- 新しい空気のところへ、移動する。
- 意識がないとき、すぐ119番に電話する。(共通編を読む)
- 服に付いたら、脱ぐ。皮膚は、水で洗う。
- 目に入ったら、水で15分洗う。
- 責任者に、SDSを病院に持って行ってもらう。
チェック
- □ SDSを読んだ、または、責任者に聞いた。
- □ 換気装置が動いている。
- □ 有機ガス用の防毒マスクを着けた。
- □ 缶には、名前のラベルが付いている。
- □ 気分が悪いとき、作業を止める。
法令の根拠:有機則(有機溶剤中毒予防規則)、安衛法(有機溶剤作業主任者)、特化則(エチルベンゼン)【要確認:条文番号】
3-8 塗装ブースの使い方
危ないこと
- ブースの換気が止まっていると、有機溶剤の蒸気がたまる。
- 蒸気が、ブースの外に出る。他の場所の人が、吸う。
- ブースの中で、火花や静電気で、爆発する。
- ブースの扉(とびら)を開けたままにすると、粉じんが入る。蒸気が出る。
- フィルターが詰まる(つまる)と、換気が悪くなる。
理由:ブースは、換気で蒸気を外に出す機械です。換気が止まったブースは、ただの箱です。
必ずやること
- ブースに入る前に、換気(給気・排気)が動いているか確認する。
- 換気が回っているときだけ、塗装する。
- 塗装する前に、扉を閉める。
- 塗装している間、扉を開けない。
- フィルターの交換日を守る。交換の記録を付ける。【要記入:交換の目安】
- 吹く前に、ブースの中の火の元を確認する。火の元になるものを出す。
- 塗装するとき、防毒マスクとつなぎと手袋を着ける。
- 塗装が終わったあと、換気を回したまま、5分待つ。【要確認:社内の待ち時間】
- 換気装置が壊れたら、使わない。責任者に言う。
- ブースの点検(局所排気装置の自主検査)は、1年に1回、行う。点検の記録の場所:【要記入】
やってはいけないこと
- 換気が止まっているとき、塗装してはいけない。
- 扉を開けたまま、塗装してはいけない。
- ブースの中で、火を使ってはいけない。(溶接、グラインダー、ライター)
- ブースの中に、携帯電話や、電気の道具を持ち込んではいけない。【要確認:ブースの防爆の仕様】
- フィルターが詰まったまま、使ってはいけない。
- 換気装置の電源を、勝手に切ってはいけない。
チェック
- □ 換気が回っていることを、確認した。
- □ 扉を閉めた。
- □ フィルターの交換日を、過ぎていない。
- □ 火の元になるものを、ブースの外に出した。
- □ 塗装のあと、換気を回したまま、待った。
法令の根拠:有機則(局所排気装置・プッシュプル型換気装置、定期自主検査)、安衛則(火気の使用禁止)【要確認:条文番号】
3-9 防毒マスクと吸収缶、ウレタン硬化剤、水性塗料
危ないこと
- 吸収缶(きゅうしゅうかん)は、使うと、だんだん効かなくなる。
- 効かなくなったら、蒸気をそのまま吸ってしまう。
- においが分かったときは、もう遅い。
- ウレタン塗料の硬化剤には、イソシアネート(イソシアネート)が入っている。
- 吸うと、喘息(ぜんそく)になる。
- 一度なると、少しの量で、また症状が出る。治らないことがある。
- 皮膚に付くと、かぶれる。
- 水性塗料でも、安全ではない。
- 水性塗料にも、少量の有機溶剤が入っている。
- 塗料のミスト(細かい粒)を吸うと、肺に悪い。
- 皮膚に付くと、荒れる。
理由:「水性」は、「安全」という意味ではありません。吸う危険は、あります。
必ずやること
- 塗装・調色(ちょうしょく)のときは、有機ガス用の吸収缶を着ける。(缶のラベルは、茶色)
- 吸収缶は、使った時間を記録する。交換の目安を守る。
- 交換の目安:【要確認:缶のメーカーの表示時間】
- 使い始めの日付を、缶に書く。
- 吸収缶は、使わないとき、袋に入れて、ふたをする。
- 次の場合、すぐに交換する。
- においがする。
- 息が苦しい。
- 使い始めて、期限が来た。
- 開封して長い時間が経った。
- ウレタン塗料(硬化剤を混ぜるとき)は、送気マスク(そうきマスク)か、有機ガス用の防毒マスクを使う。
- どちらを使うか:【要確認:イソシアネートの扱い。送気マスクが必要か、社内で決める】
- 水性塗料のときも、保護メガネ・手袋・マスク・つなぎを着ける。
- マスクを着けたら、シールチェックをする。
- フィットテストを、1年に1回受ける。
- 硬化剤が皮膚に付いたら、すぐに石けんと水で洗う。
やってはいけないこと
- 吸収缶を、期限を過ぎて使ってはいけない。
- においがしなくなったから安全、と考えてはいけない。
- 防じんマスクを、塗装のとき、防毒マスクの代わりにしてはいけない。(粉じん用のマスクは、蒸気を止めない)
- 「水性だから」と言って、保護具を外してはいけない。
- 他の人の防毒マスクを借りてはいけない。
チェック
- □ 吸収缶に、使い始めの日付が書いてある。
- □ 吸収缶は、交換の期限を過ぎていない。
- □ マスクのシールチェックをした。
- □ 水性塗料でも、保護具を着けた。
- □ 硬化剤が皮膚に付いたら、すぐに洗う。
法令の根拠:有機則(呼吸用保護具)、安衛則577条の2(濃度基準値)、安衛則594条の2(皮膚障害防止用の保護具)【要確認:条文番号】。
注意:イソシアネートは、特化則の作業環境測定の対象ではない。ただし、保護具と濃度基準値のルールがある。
3-10 火気厳禁・静電気・引火・調色室・塗料の保管
危ないこと
- シンナーや塗料の蒸気に、火がつく。小さな火花でも、火がつく。
- 静電気が火花になり、蒸気に火がつく。
- 油や塗料のついたウエス(ぼろ布)が、自然に熱くなり、火が出る。
- 危険物をたくさん置くと、火災が大きくなる。
理由:シンナーや塗料は、法律で「危険物」です。決められた量を超えて置くと、許可が必要です。
必ずやること
- 調色室・塗装ブース・塗料保管場所の入口に、「火気厳禁(かきげんきん)」の表示を出す。
- 塗料とシンナーは、決まった保管場所に置く。
- 保管場所には、置いてよい量を書く。置く量を守る。
- 置いてよい量:【要確認:消防法の指定数量と、少量危険物の届出】
- 缶のふたを閉める。倒れないようにする。
- 調色室は、換気を動かす。
- 静電気を防ぐ。
- 作業の前に、金属の部分に手を触れて、静電気を逃がす。
- 静電気を防ぐ作業靴を履く。【要確認:導電靴の支給】
- 塗料を移すときは、容器をアース(接地)する。【要確認:アース設備の有無】
- ウエスは、使ったあと、ふた付きの金属の缶に入れる。
- 金属の缶は、毎日、中身を捨てる。【要確認:廃棄の頻度】
- 消火器の場所と、使い方を覚える。
- 作業が終わったら、塗料の缶をすべて、保管場所に戻す。
やってはいけないこと
- 火気厳禁の場所で、タバコ、ライター、溶接、グラインダーを使ってはいけない。
- 油や塗料のついたウエスを、床や、ごみ箱に置いてはいけない。
- 油や塗料のついたウエスを、まとめて積んではいけない。
- 決まった量を超えて、塗料やシンナーを置いてはいけない。
- 保管場所以外の場所に、塗料やシンナーを置いてはいけない。
- 化学繊維(ナイロン・ポリエステル)の服で、塗料を移してはいけない。(静電気が出やすい)
チェック
- □ 火気厳禁の表示がある。
- □ 塗料とシンナーは、決まった場所にある。
- □ 缶のふたは、閉まっている。
- □ ウエスは、ふた付きの金属の缶に入れた。
- □ 消火器の場所を、知っている。
法令の根拠:消防法(危険物。第4類の指定数量)、安衛則256条(引火性の物の蒸気がある場所の火気禁止)【要確認:条文番号】
3-11 乾燥(赤外線ヒーター・焼付け)
危ないこと
- 赤外線ヒーターや、ブースの焼付け(やきつけ)で、体や物が熱くなる。
- 熱いブースや熱い車体に触れて、やけどをする。
- 塗料が乾く前の蒸気に、熱で火がつく。
- 熱で、燃えるものが、発火する。
理由:焼付けの温度は、とても高いです。熱いのに、見ただけでは分かりません。
必ずやること
- 乾燥の前に、ブースの中を確認する。燃えるもの、ウエス、缶を出す。
- 赤外線ヒーターは、車体から決められた距離に置く。
- 塗装が終わったあと、換気を回して、蒸気を出してから、乾燥を始める。
- 乾燥中は、ブースの中に人が入らない。
- 乾燥が終わったあとは、冷めるまで待つ。
- ヒーターの電源を切ったあとも、熱い。耐熱の手袋を着ける。
- 熱い車体や部品は、「熱い」と分かる印を付ける。
- 乾燥中は、ブースの外から、温度を見る。
やってはいけないこと
- 赤外線ヒーターを、車体に近づけすぎてはいけない。
- 乾燥中、ブースを開けたままにしてはいけない。
- ヒーターの近くに、ウエスや缶を置いてはいけない。
- ヒーターを、つけたまま、その場を離れてはいけない。
- 乾燥の直後の車体を、素手で触ってはいけない。
チェック
- □ ブースの中に、燃えるものはない。
- □ 蒸気を出してから、乾燥を始めた。
- □ ヒーターの距離を、守った。
- □ 乾燥の直後は、耐熱の手袋を着けた。
法令の根拠:安衛則(乾燥設備の安全)【要確認:乾燥設備の届出と条文番号】
3-12 廃棄(廃シンナー・塗料かす・マスキング材・ウエス)
危ないこと
- 廃シンナーや塗料かすは、火がつく。有害である。
- 普通のごみに混ぜると、火災になる。
- 排水溝(はいすいこう)に流すと、環境を汚す。法律違反になる。
- 容器から漏れて、床が滑る。火がつく。
理由:廃棄物の捨て方は、法律で決まっています。間違えると、会社と本人が罰を受けます。
必ずやること
- ごみを分ける。
- 廃シンナー(廃溶剤):専用の缶。
- 塗料かす(固まった塗料、塗料の缶):専用の箱。
- マスキング材(紙・テープ):塗料のついたものは、専用の袋。
- 油や塗料のついたウエス:ふた付きの金属の缶。(3-10を読む)
- 割れたガラス:専用の箱。(3-1を読む)
- 缶や箱には、中身の名前を書く。
- 廃棄物の置き場所を守る。
- 廃棄物は、業者が取りに来る。(産業廃棄物)
- シンナーは、シンナー再生機で、きれいにして、再び使うことがある。
- 再生機を使えるのは、教えられた人だけ。
- 再生機の導入:【要確認:導入が決まっているか。9月末判断の予定】
- 再生機のあとに残る、かす(残さ)は、専用の缶に入れる。
- 廃棄物の量と、日付を、記録する。
やってはいけないこと
- 廃シンナーを、排水溝や、トイレに流してはいけない。
- 廃シンナーや塗料かすを、普通のごみ箱に捨ててはいけない。
- 違う種類の廃棄物を、混ぜてはいけない。
- 中身の分からない缶を、置いてはいけない。
- 再生機を、教育を受けないで使ってはいけない。
チェック
- □ 廃棄物は、種類ごとに分けた。
- □ 缶や箱に、中身の名前を書いた。
- □ 廃棄物は、決まった場所に置いた。
- □ 廃シンナーを、排水溝に流していない。
法令の根拠:廃棄物処理法、消防法(廃溶剤の貯蔵)【要確認:条文番号】
3-13 健康管理(健康診断・作業環境測定・SDS・作業主任者)
危ないこと
- 有機溶剤、溶接ヒューム、粉じんの影響は、すぐに症状が出ない。
- 気付かないうちに、体が悪くなる。
- 診断を受けないと、病気に気付くのが遅くなる。
理由:特殊健康診断は、体が悪くなる前に、変化を見つけるための検査です。
必ずやること
- 特殊健康診断(とくしゅ けんこうしんだん)を、決められた時期に受ける。
- 有機溶剤の健康診断:6か月ごと。(尿の検査など)
- 溶接ヒュームの健康診断(マンガン):6か月ごと。(握力、血液・尿の検査)
- じん肺(じんぱい)の健康診断:研磨や溶接をする人が対象。【要確認:対象者と、管理区分による間隔】
- エチルベンゼンの健康診断:【要確認:対象となるか】
- 次の受診日を、確認する。
- 診断結果は、自分で読む。分からないときは、聞く。
- 作業環境測定(さぎょうかんきょうそくてい。空気の汚れの検査)が、6か月ごとに行われる。測定のとき、協力する。
- 作業環境測定の結果は、掲示板に貼る。【要記入:場所】
- SDS(薬品の危険の紙)を、見やすい場所に置く。
- SDSの置き場所:【要記入】
- SDSは、日本語で書いてある。分からないときは、責任者に聞く。
- 新しい塗料やシンナーを使うとき、先にSDSを見る。
- 作業主任者に、疑問を聞く。
- 有機溶剤作業主任者:【要記入】
- 特定化学物質作業主任者:【要記入】
- 体調が悪いときは、すぐ責任者に言う。
- 言語が分からないときは、通訳を頼む。【要確認:社内の通訳の担当者】
やってはいけないこと
- 健康診断を、受けないで済ませてはいけない。
- 体調が悪いのに、隠してはいけない。
- SDSを、持ち出してはいけない。
- 作業主任者の指示を、無視してはいけない。
チェック
- □ 次の健康診断の日を、知っている。
- □ SDSの置き場所を、知っている。
- □ 作業主任者の名前を、知っている。
- □ 体調が悪いとき、すぐ言う。
法令の根拠:有機則(有機溶剤等健康診断・作業環境測定)、特化則(特殊健康診断・作業主任者)、じん肺法、安衛法65条(作業環境測定)【要確認:条文番号】
第3編の最後に
- 分からないことは、作業の前に聞く。
- 危ないと思ったら、作業を止める。止めても、叱られない。
- 事故や、ヒヤリとしたことは、必ず責任者に言う。
- 保護具は、会社が渡す。足りないときは、言う。